医療経営士に興味があるけど、ぶっちゃけ取ってメリットあるの?
最近話題な資格なので興味はあるけど、メリットないなら他の勉強したいし!
「医療経営士」って聞いた時があるけど、
どんなメリット・デメリットがあるのか分からないから不安。
いまいち受験勉強をしようと踏み切れない!って人もいると思います。
この記事では、メリット・デメリットを、
自分が「医療経営士」を取得して実感した経験を踏まえ、
紹介したいと思います。
医療経営士に興味はあるけど、よくわからないから決心がつかないという方はこのままご覧下さい☆
この記事の前半では
医療経営士のメリットは
①差別化
②目標設定
③根拠把握
(④医療費削減)
について解説し、
後半では、
医療経営士のデメリットは、
①お金がかかる
②勉強時間
③この資格で食べていく事が出来ない
について解説していきたいと思います。
では、始めていきます!
医療経営士のメリットとデメリットを解説!
医療経営士を取得するメリットとは・・・?
結論は下記の3つです(もっといっぱいありますが、主なものです☆)
1.差別化が出来る
2.目標設定が明確
3.業務の根拠が把握出来る
(4.医療費削減出来る)
です。順番に解説していきます!
1.差別化出来る!
取得することでその他大勢のスタッフと差別化出来ます。
資格取得者は多くなってきたとは言え、まだ一般に浸透しきったかと言えば、そうではない「医療経営士」という資格です。
医療経営士を持っていることで他の人より目立つ存在になれる事は間違いありません。
しかし、こんなことを主張すると「こんなマイナー資格で差別化できないでしょ?」って思う方もいるかもしれません。
ちょっとこの意見に対して反論しておきたいと思います。
ネット界隈では医療経営士に対して時々否定的な意見を目にします。
「意味ない」とか「価値がない」とかです。
しかし、断言しますが、医療職なら取得した方がいい。
管理者もしくはその候補者であるのなら絶対取得した方がいいと思っています。
むしろ、取得しないと管理職になれない的なものでもいいと思うくらいです。
その理由としましては、
ほとんどの人が勉強していない「経営」に関して
体系的な知識を持つことで、信頼関係を築く事が出来る
ということです。
一般企業では商売の仕組み、例えば、自社の製品の特徴や、経済状況、他社のリサーチ等を行い、この市場で勝ち残っていけるか?等を決めます。
そのためには、経済をはじめとして経営について色んな事を勉強しますよね?
そんなこと当たり前です。
勝算もなく新商品を投入して、
人手を使い、
お金を使うことは一般企業ではしません。
病院だって同じです
そんな中、残念ながら医療者で経営について勉強している人は少ないです。
病院は専門職の集まりです。
医師・薬剤師・看護師・臨床検査技師・放射線技師・理学療法士・作業療法士・栄養士・・・挙げれば切りがありませんが、
それぞれ自分たちの専門範囲の事については2年~6年かけ専門学校・大学で勉強し、その後就職しても勉強します。
でも、病院・地域・都道府県・日本・世界を俯瞰する視点、体系的な経営についての知識等は学ぶ機会がありません
そんな中、経営を体系的に学ぶ事が出来ればそのほかのスタッフと差別化出来るのは当然です。
他と違う(そして重要な)知識を持っている人物は、信頼関係を構築しやすくなります
信頼関係構築にはお互いの知識レベルが同等以上の必要があります。
僕は、管理者の立場で各スタッフや医療関連業者とコミュニケーション取る場面は多いのですが、
「知識がないのに分かったふりをして話している」(いわゆる知ったかぶり)人は、すぐに分かります。
言葉の端々に「不安」「緊張」があるからです。それは知識がないのがばれたくないからだと思います。
そのような相手と話をしていて信頼関係を結べるかと言われると無理です。
この人と仕事が出来るのか?任せて大丈夫なのか?とどうしても思ってしまいます。
やっぱり話が分かる人(知識がある人)と話が分からない人(知識がない人)では全く別の関係性になるのは当然です。
知識がある人、勉強している人はそれだけで目立つのです。
2.目標設定が明確!!
目標設定に受験勉強は最適です。明確な目標となります。勉強する内容・期間・成果が決まっているからです。
管理者、もしくは候補の方は以下のような事、経験はないでしょうか?
・経営・管理・医療業界について勉強しようと思ったが、何から手をつけていいか分からず、結局何も行動してこなかった。
・(医療関連業者)医療・病院の置かれている状況についてよく分からず、自分たちの商品やサービスが必要とされているのか、勧められるかが分からない
こんな事はないでしょうか?僕自身はあります。
僕が管理者になったとき、前任か業務についての申し送りはありました。
申し送りがあり最低限の業務は出来るようになります。
しかし、
・管理に対する考え方
・経営について
などは申し送りで話した程度で身につくものでもありません。
今までの看護師業務とは違う為、どうすればいいのかすごく悩んだ記憶があります。
どうにかしたいけど、何をすればいいのかわからないので何も行動は起こせず、時間だけが過ぎていきました。
(その後、偶然、医療経営士を知り、内容を学んだことにより「この資格の事をもっと早く知りたかったな」って思いました。)
医療制度は色んな事が複雑に絡み、とても難しくなっています。
そんな時に、医療制度を体系的に学べ、そして試験日という明確な期限が決められ、合否という成果が見られるので、この資格は非常に明確な目標になります。
もちろん試験範囲の中には日常業務に全く出てこず、不必要な内容もありますが、それも教養とし覚えておけば完全に無駄になることはありません。
今どのように勉強すればいいのか分からない、医療に対して漠然としている不安がある方は「医療経営士合格」という明確な目標に向かって勉強してもいいのではないでしょうか?
3.普段の業務の根拠がわかる
「このめんどくさい業務をなんでしなくてはいけないのか?でも、上がやれっていってるし仕方ないか・・・。」と思ったことはありませんか?
でも、それってただ単に意地悪で言っている訳ではないんです。
「○○加算を取るためには、△△をしなければいけない」「○○加算を取るためには□人の(職業名)を配置しなければいけない」とか色々決まっているのです。
「要件」とか「施設基準」とか上司が話しているのを聞いたことはありませんか?
今は加算について例を出してお伝えしましたが、その他色々と試験の内容が自分の業務に直結しています。(「医療経営士」なので医療関係の知識がつくのは当然と言えば当然ですが)
例えば、僕は看護師で看護協会が主催の管理者対象の研修に行く事があります。
その内容のほとんどはすでに「医療経営士」を獲得の為に勉強した内容でした。
看護協会が看護管理者にしておいてもらいたい内容を研修で話されているので、
医療経営士の勉強で自分の業務に必要なことを学ぶ事が出来たと思っています。
そして、「日々の○○業務をしなくてはいけない理由」が理解出来ると今までやらされていた感がなくなり、納得して業務が出来るようになります。そうすると、間違いや漏れ等が減少します。
気分的に全然違いますので今自分の業務を漠然とこなしているというだけの人は医療経営士取得への勉強をお勧めします!
ちなみに・・・
(4.医療費削減出来る)
日本にとって、あなたの病院にとって、そして(回りに回って)あなたにとってメリットになるのが、医療費削減に繋がります
政府は医療費を抑えるため、安心・安全な医療を国民に提供するために色々な思いを、政策、診療報酬改定等といった方法で病院に伝えてきます。
その内容をいち早くキャッチし、ご自分の施設に適応していけば、国も助かる、あなたの病院も助かる(診療報酬の改定は新しい方へ移行して欲しいため高い点数(もしくは取りやすい設定)にしてあるためです)、将来的にあなたも助かる(かもしれません)、のでみんなにメリットがあります。
医療経営士を取得するデメリットとは・・・?
結論は下記の3つです
1.お金がかかる!
2.勉強するのが大変!
3.この資格のみで食べていくことは出来ない
です。順番に解説していきます!
①お金がかかる!!
お金は結構かかります。
【受験料】
3級 |
内容 |
2級 |
9,100円 |
受験料 |
16,000円 |
(全8巻)22,000円 | テキスト | (全19巻)58,520円 |
15,000円 | 直前ポイント解説セミナー | 18,000円 |
2,037円 | 予想問題集(電子書籍) | 2,037円 |
3,300円 | Q&A | 3,800円 |
51,437円 | 合計 | 105,357円 |
この金額を払わないといけないという訳ではありません。
限界まで節約すると、
3級では受験料だけ(9,100円)でいけます。
2級を受験するには、まず3級の試験に合格し、協会に登録する必要があるので登録料(10,000円)、年会費(10,000円)等のお金が別途かかります。
そのため、限界は・・・
3級受験料(9,100円)+登録料(10,000円)+年会費(10,000円)+2級受験料(16,000円)+等級変更の事務手数料(2,600円)=47,700円
当然、こんなうまいこと合格出来るわけでもなく、テキストやセミナーをうまく使って勉強し合格までいきます。
(おすすめの勉強方法はまた別途記事を書きたいと思います)
こちらからどうぞ
⬇⬇⬇⬇
見てわかるように結構お金がかかります。
受験費や維持費、テキストや関係セミナーを受講した値段は気軽にポンッと出せる値段ではありません。
確かに大きい金額です。先ほどメリットがあるとお伝えしましたが、それでも値段に見合っているかと言われると個人による気がします(僕にとってはメリットの方が大きかったのでOKだと思っています)
これらのお金を自分への投資してみたと思えば、そんなに高い金額ではない・・・・でしょうか?
②勉強するのが大変!!
勉強が大変と思う人もいると思います。正直、大変な事は大変です。
皆さん、普通に仕事をしていると思います。小さなお子さんがいる方もいるでしょう。
その上で勉強しなければいけないとなると確かに大変です。
僕自身の勉強環境を紹介します。
僕は手術室師長として手術室の管理業務をしています。
そして、終わったらまず子供を迎えに行って、お風呂に入り、夕飯の支度をし、食べ、終わったら洗濯物を干し、寝る準備をして寝かせる。
あんまり寝てくれない子供たちで寝るのは10時くらいになります。そこからもぞもぞと起き出し勉強していました。
その日の体調(眠たさ)によりますが、約1時間~3時間勉強するって感じです。
僕は師長という立場ですがあまり時間外をせずに定時(5時)で帰ることが多いので、出来ているかもしれませんが、
もし、夜遅くまで仕事をしなければいけない人であったら余計に大変だと思います。家族の協力も得なければいけないかもしれません。
かといって、難関試験といわれる「公認会計士」とか「司法書士」とかその辺と比べればやっぱり取りやすいですので、チャレンジしてみるのもありだと思います。
医療者はどの職種においても勉強はし続けなければいけません。
なのでどこかで、頑張らないといけない。
まずは自分の仕事の効率化を図り、勉強時間の確保は医療経営士を受験する気がなくても必要なことです。
ちなみに医療経営士では業務改善のことについても学ぶので一石二鳥なのでは?
③この資格だけで食べていくことは出来ない
残念ながらこの資格を持つことが出来たから、独立するとか、給料が爆上がりするとかそんなことは起きません。
資格を持っているだけは何も起きません。さきほど上記に書いたメリットも、持っていると自動的に得られるものでもありません。
なので、自分から行動する必要があります。行動の例としては次の様なことが挙げられます。
自分が医療施設の管理職なら | ・情報収集 得られた情報に基づき改善・実行 |
自分が医療施設の管理職以外 | ・情報収集 ・管理者への情報提供 ・改善、実行等の提案 |
医療関連企業/一般企業 | ・情報収集 ・医療機関スタッフ等への情報提供 ・改善策等の提案(サービスの提供) |
大きく分けると、「情報収集と改善・実行(利用)」です。
学習したこと、それにより理解出来るようになった情報等を、
ご自分で使うか、上司に提供しご自分の施設で活用するといった感じです。
例えば、
「○○加算」が新設された。うちの病院でも取得出来そうだ!じゃあ取りに行くために準備しよう
みたいな感じで伝えて、行動に移す
そうすると、先ほど書いたメリットが最大化され、給料や評価に影響するかもしれません。
ほとんどの場合、この資格だけで食べていくことは出来ないですが、現在の状況に影響する資格であるも間違いないと思います。
医療経営士を取得する流れの中で得られた情報は医療機関で働く上で直結する有益な情報ですので、
うまく活用したり、情報提供等をしてみるとかドンドン動いてみましょう!
以上が自分の経験上感じたメリットとデメリットです。
もちろん、それぞれ個人の状況や考え方によって違うかもしれません。
でも、単純に僕は「医療経営って面白い」と思ったので、上記のメリットがなくても勉強していたかもしれません。
メリット・デメリットを考えることはもちろんいいのですが、
「特にメリットがない」と思っても勉強してみてはどうでしょうか?
結構、面白かったりしますよ~!